2023年11月にKEENに入社した高輪健人さんは、コミュニティマネージャーとしての経験を通して、コミュニティへの大きな課題を感じていました。KEENの事業を通して、その課題を解決したいと考える高輪さん。その課題について、キャリア選択において大切にしていることと併せてお話を聞きました。<プロフィール>高輪(たかわ)健人1993年北海道札幌市生まれ。アイルランド共和国国立トリニティ カレッジ ダブリン大学 政治社会科学部卒。株式会社大塚商会、WeWork Japan合同会社、Fun Group Inc (旧 タビナカ) を経て、北海道札幌市にUターンをし株式会社大人に入社。その後、再び東京に戻り、WeWork Japan合同会社に再入社。シニアコミュニティリードを務めた後、2023年11月に株式会社KEENにCommunity Strategistとして入社。「コミュニティ」「コミュニティマネージャー」に対して感じていた課題―― 高輪さんのご経歴を教えていただけますか?社会人のキャリアは大塚商会でのマーケティング部門でMicrosoftのライセンスプロモーションから始まりました。その後、WeWork にてブランドマーケティングを担当の後、当時シリーズBの観光スタートアップFun Groupに事業開発として入社しました。当初ハワイ拠点を担当していましたが様々な世の中の状況もあり、後半は海外のオプショナルツアーを販売しているサイトにSNSを通して飛び込みで「うちのツアーも掲載してくれませんか?」という営業をしておりました。転職経験の中で自分は世の中に「自走」できる人を増やしたい想いが強くなり、そのゴールに向けた一つの手段として「コミュニティ」に強い関心を持ちました。その際、偶然にも北海道にて新しい動きがあり「コミュニティマネージャー」を求めているとのことで、地元の北海道に戻り株式会社大人に入社しました。その後、より「コミュニティマネージャー」を極めたいと思い、WeWork に出戻りをし、シニアコミュニティリードという肩書で拠点を任されていました。―― コミュニティマネージャーになったきっかけはなんだったんですか?きっかけというより、関心を持ち始めたのは、WeWork に入社した社会人2年目の終わりの時ですね。当時マーケティング部署に所属していた私の上司が非常に優秀な方で、自分と見比べてみて「この人を超えることはできないかもしれない、それなら違う道で専門性を高めたい」と思いました。その中で自分は、何を突き詰めたいか、そして企業にあてはめるとどういうポジションになるかを考え始めたんですね。結果、「自分の頭で考え、判断し、行動できる人=自走できる人」を増やすことを突き詰めたいとおもい、それを自分の好きな分野、得意な分野に当てはめると「コミュニティ」だなと考えました。だからこそ、北海道の株式会社大人に入社してからは「スタートアップ」のコミュニティ、「地域」に根ざしたコミュニティなど様々なところに入ったり、「BUFF コミュニティマネージャーの学校」というプログラムに参加してみたりと貪欲に動いてましたね。―― KEENに入社した理由を教えてくださいそもそも転職活動をしていたわけではないんですが、IVS2023でのKEENのピッチの様子を聞いて興味を持ち、カジュアル面談を行ったことがきっかけで入社することになりました。私が「コミュニティマネージャー」を経験する中で感じていた課題感は大きく2つです。ひとつは「コミュニティの事業評価」二つ目に「コミュニティマネージャーの疲弊」です。コミュニティは重要であるが、なかなか数値として表すことが難しく、事業貢献しているように見受けられず結果として現場にいるコミュニティマネージャーは様々なタスクに手を出し疲弊してしまう。この負の循環をなくさなければいけないと常に感じておりました。コミュニティマネージャーって本当に素敵な人、いい人が多いんですよね。それが結果的に自己犠牲を伴うことをしていたりもして。ただ反対に数値をみていればいいか?といわれるとそうでもないんです。その両方が必要だからこそ難しい。そんな課題を解決したくて入社をしました。「コミュニティは事業評価と結びつきにくい」という課題を解決できるのがKEENだと思った―― 「コミュニティは事業評価と結びつきにくい」というのは具体的にはどんな課題ですか?コミュニティについて企業が価値や意義をきちんと見いだせていない、そしてその結果として「コミュニティマネジメントに対して予算を投下できていない」という課題です。コミュニティの成果は見えづらく、現在測定している数値は氷山の一角で、まだまだ数値にできていない成果がたくさんあります。きちんとコミュニティの成果、事業への影響が可視化されることで、コミュニティに適切な予算が投下されるようになってほしいと考えています。「コミュニティでお金を稼ぎたい」「コミュニティにもっとお金を使いたい」というのは、怪しく見えてしまったり嫌がられたりと、言いづらい雰囲気があります。また、成果が可視化できないことで予算や人員が付けられず、コミュニティマネージャーの自己犠牲でなんとか運営しているコミュニティが多くあります。コミュニティに予算を投下するというのは、そういったコミュニティマネージャーの働きを正しく評価して、適切な報酬を与えるということにも繋がると考えています。―― 確かに、コミュニティマネージャーには自己犠牲精神が高い方が多そうですね本当にそう思います。コミュニティマネージャーの負担という意味では、「役割の曖昧さ」という課題もあると思っています。セールスやマーケティングなどの企業活動にもコミュニティの要素は含まれていて、「コミュニティマネージャー」という役割であってもその目的や業務領域はあまりにも大きく、不明瞭です。コミュニティごとに、きちんとコミュニティマネージャーの役割を定義していくということも必要ですね。「コミュニティはお金にならない」、「役割の曖昧さ」という2つの課題は、コミュニティのデータを可視化するKEEN Managerや、KEENのコミュニティマネジメント支援サービスを成長させていくことが解決に直結すると考えています。コミュニティの目的を再定義することが、コミュニティの成果や評価に繋がる―― これからKEENでどんなことをやっていきたいですか?KEENはまだ社員1桁のスタートアップなので、1人で何役もやっていく必要があります。入社後すぐに、「あれもやらなければ、これもやりたい」と沢山の役割にアサインされて、スタートアップらしさを感じています(笑)。「会社の成長のために、求められものはなんでもやっていく」という姿勢はスタートアップのメンバーとしてベースにありつつも、私自身としては多くのクライアントのコミュニティサポートに携わっていきたいという想いは強く持っています。近年コミュニティという言葉はバズワードになっていて、コミュニティを作ること自体が目的になっているケースも多くあります。「コミュニティを作るためにはどうしよう」という議論に終始してしまって、そもそも何のためにコミュニティを作るのか、という点が置き去りになってしまっています。コミュニティは規模も形も様々で、生き物みたいなものです。再現性がなく、難しい。それでいて動き続ける。でも、本来の目的の確認、そのために必要なコミュニティの要素分解、必要な役割の定義、といったことの必要性は変わりませんし、コミュニティマネジメントの専門家がサポートする必要性も感じています。まずは、いろいろなクライアントに関わる中で、こういった部分の設計や改善に携わっていきたいという想いがありますね。そうやって事業に対して正しい成果を出し、それをKEEN Managerで可視化していく、それによって事業成長を加速させることができるんじゃないかと考えています。採用情報はこちら