2023年8月3日に実施された、コミューン株式会社・KEEN株式会社の共催セミナーにて、代表小倉が登壇いたしました。ここでは、そのトークセッションの様子をご紹介いたします。※本記事は当日の登壇内容をもとに加筆修正しています。※こちらは後編です。登壇者ウイングアーク1st株式会社 マーケティング本部nest企画室長 河村雅代さんコミューン株式会社 執行役員CCO 岩熊勇斗さんコミューン株式会社 マーケティング部 吉留茉央さんKEEN株式会社 代表取締役 Founder CEO 小倉一葉※以下敬称略――パネルディスカッション①:ウイングアーク1stのコミュニティ変遷吉留:先程も河村さんからご説明があったコミュニティの変遷について、もう少し詳しくお伺いできますでしょうか。河村:はい。私たちは2018年のコミュニティ創成期において、コミュニティの立ち上げに高い熱量で取り組んだのですが、その時に集まってくれたユーザー様が今もなおコミュニティを支える中核のメンバーとして活躍されています。ですのでコミュニティの立ち上げという一番最初のステップは最も熱量をもって行うべきだと思いますね。コミュニティに再生の必要を感じたタイミングは、当時Facebookで運営されていたコミュニティの新規登録が700名弱で停滞したことにあります。ユーザーの新規登録が減るとイベントに人が集まらなくなるうえ、イベントにおける話の発展性や新たな話題性が乏しくなり、さらにイベントに人が集まらないという悪循環が生まれました。そこで常に新しい人を循環させることを目標として2020年にcommmuneを導入したんです。また弊社のお客様の多くが製造業の方でしたが、製造業では会社のPCからFacebookを開くことが困難な場合が多かったんですね。その点でもコミュニティの場をFacebookからcommmuneに移したことは、より多くのお客様に登録していただくきっかけになりました。しかし会員の数が急増していくにつれ、ユーザー様の変化をリアルタイムに追いかける必要があるうえ、社内での注目度が上がったことで会社への効果を見えやすいかたちで報告しなければいけなくなってきました。コミュニティの創成期、最盛期を経てKPIがどんどんと変化し、コミュニティの意義、そして事業貢献が現在の課題になっていますね。岩熊:2020年の10月は私がちょうどcommmuneに入ったタイミングだったので、河村さんの事業にも関わらせていただきましたね。もうこんなに時間が経ったのかと懐かしい気持ちです。振り返ると当時からコミュニティは歴史のあるものでしたが、commmuneを始めとするコミュニティの新たなシステムに投資することや、河村さんのようなもともと他のお仕事をされてる方にコミュニティの担当へ配属させることには、会社にとってそれなりのハードルがあったと思います。コミュニティの意義を証明することへのチャレンジ感があるなかで、これからコミュニティをやっていく方が経営側と対話していく方法についてヒントやアドバイスがあればいただきたいです。河村:私の場合、最終的に会社から合意を受けたポイントとしては、既存顧客との接点が薄くなっていることに対する経営側の問題意識があったなかで、直接接点を作っていく策としてコミュニティを提案したことにあると思います。つまり会社のなかで課題となっている事案を解決しますよ、というアプローチをとる必要があるということです。あくまでコミュニティを会社の課題解決の重要な手段として捉えることが大切ですね。成長期には、コミュニティに対する社内の理解度・期待度が上がったタイミングでKEEN Managerを導入しようと考えていました。弊社では「updata」と呼ばれる非常に大きな年次イベントを開催していて、そこでコミュニティのユーザー様に多数ご登壇いただいたんですが、そこで行われたセッションの高い満足度が話題になり、私たちのコミュニティに対する認知度が上がったんです。それを契機にやっと会社へコミュニティの効果や意義を説明できるようになり、ユーザー様を育てるツールとしてKEEN Managerを提案し、導入に至ったという経緯があります。小倉:ウイングアーク1st様の「データ活用で世界を笑顔に」というビジョンにコミュニティの立ち上がった段階から共感したユーザー様がいて、個人のお客様を含めて集まった人たちがどんどん成長されているんですよね。河村さん率いるnestの皆様はそれを目の当たりにしながら、次にどのようなステージを用意するべきか、どのようにすればコミュニティとして成長するかを追求していることに私たちKEENも強く共感しました。とはいえ、事業貢献をしながらユーザーのウォッチを続けるのって本当に大変なことなんですよね。私も一時期コミュニティポータルのお仕事を手伝わせていただいたんですが、すごく価値のある活動である反面、毎回手作業でやるのは無理だってなりましたよね(笑)。河村:そうでしたね(笑)。年に1回まわす(分析する)くらいだと大丈夫ですけれど、月次ともなると厳しいので、どうしても分析が一過性のものになってしまいますよね。コミュニティマネージャーに必要とされるのは変化を追うことなのに、それが十分にできないのは苦しかったです。自分たちの活動が今どんな状態にあって、何を目指すのかが数値化されていないことにフラストレーションがあった時期だったと思い返します。――パネルディスカッション②:データに頼るところ、人がやるべきところ吉留:次のテーマは「データやツールに頼ってよいところ・コミュニティマネージャーがやるべきところ」です。河村さんの3年間の経験をもとにお話を伺いたいです。河村:先程小倉さんからあったようにコミュニティマネージャーの仕事って意外に多くて、全てを100%で回すことって不可能なんですよね。そのうえ少人数のコミュニティマネージャーで運営される場合が多いなかで、何に集中するべきかを必然的に考えることになると思います。そのなかで状態把握やユーザーの動きのモニタリングといった部分は、基本的にシステムに任せていいところなのかなと感じています。そして注力すべきは「顧客体験」なんですね。イベントやミーティングの場でユーザー様と何かしらの接点を持つことは全て顧客体験なんですが、コミュニティマネージャーにはそのような顧客体験の場で想定より上をいく発案をすることが求められると思います。ユーザー様に喜んでいただけるアイデアを考えることは発案者のセンスが関係する、人でないと成立しない仕事なので、コミュニティマネージャーはそこに最大限の時間を投下するべきですね。例えば、弊社ではコミュニティのリーダーとのミーティングを年に3回行っていますが、どうしても内容がパターン化してしまうんですよね。とはいえコミュニティーマネージャーの仕事は、お客様が楽しめる場を提供して「nestっていいよね!」と思っていただく方法を考えることなので、そこに一切の妥協をしてはいけないんです。今期は「前回と同じはナシ!」をルールとしています(笑)。吉留:コミュニティマネージャーは想定より上をいかなければならない、、、これは今日皆さん全員が胸に刻んで帰るべきキーワードなのではないでしょうか(笑)。――パネルディスカッション③:コミュニティの盛り上がりがもたらした、コミュニティ外の効果河村:ウイングアーク1stのマーケティング本部としては、熱量の高いユーザー様の声をより多くのマーケットに届けるための施策を実行しています。具体的にはリードジェネレーションのチームとタッグを組み、事例発表を含むリードジェネレーション型のイベントに、ユーザー様に登壇していただいています。他にもコミュニティの運営側は、ユーザー様たちの共通の課題や、ユーザー個別に潜んでいる課題をコンテンツ化できるんですよね。それが意外にもカスタマーサクセスのリテンションに効果があると発覚して、今期からそれらをまとめたマガジンを作らせていただきました。ユーザー様から頂いた情報をカスタマーサクセスやマーケティング、そしてセールスの部門で使いやすいコンテンツとして展開する方法の模索が今期の取り組みの1つとなっています。他部門と連携しながら相手部署のメインミッションに良い効果をもたらすための支援をする、という施策は上手くいっていると言えます。岩熊:めちゃくちゃいいなと思います。カスタマーサクセスやマーケティングの場で何らかの問題に直面したユーザー様がいたときに、企業側がもたらす情報には上限があるんですよね。それよりも実際に乗り越えたユーザー様が提供する情報のほうがよっぽど価値があると思っています。それを上手く利用していることはもちろん、コミュニティがフローではなくストックである価値を存分に事業に使っていることが素晴らしいですね。河村:コミュニティに携わっていると、メーカーとしての存在に限界を感じることがあるんですよね。我々が提供できる情報なんて本当に一部です。私たちはユーザーとユーザーを結びつけることに徹するべきですし、それこそ価値があるものだと思っています。岩熊:私たちの事業が目指すべきところを再現していただいて、グッとくるくらい嬉しいです(笑)。――パネルディスカッション4:今後のnestの展望河村:コミュニティの価値を高めていく段階に入り、コミュニティに関与することが会社だけでなくユーザー様のキャリアにも大きく影響するのだと常々感じています。とはいえ会社としてはカスタマーサクセスにどれだけ貢献するかが原点なので、ユーザー同士が巡り合って共創できる場をどれだけ作れるかに集中していきたいと思っています。そのためには、どのユーザーとどのユーザーが関係を持っているのかを可視化して、そのデータを取れるようになるといいですね。これらは是非commmuneさんとKEENさんにご協力いただきたいなと思っています(笑)。――質疑応答吉留:では、これから視聴者の方から頂いた質問に答えていただく時間といたします。1つ目の質問です。「BtoBで考えると対象は個人ではなく企業かと思いますが、X(旧Twitter)で紐付けるのは企業アカウントですか?それとも個人アカウントですか?」河村:個人アカウントです。コミュニティに参加している方のアカウントからそれに紐づく企業として捉えています。吉留:なるほど。これに対して次の質問が来ています。「Xで紐付けるのが個人アカウントだとすると、アカウント変更や担当者変更の場合のメンテナンスは大変でしょうか?また転職・退職の場合はどうなりますでしょうか。」小倉:KEEN Managerの仕組みとして、様々なアウトプット情報は個人単位の情報に紐づき、公開情報をもとに収集して分析にかけられます。ですので担当の変更もさほど関係なく個人として登録がなされます。イベントのハッシュタグ情報などをもとにXで発信をするアカウントを登録するのですが、まずハンドルネームの方はハンドルネームのままで登録されます。その後、例えばイベント参加やアンケート、ノベルティの送付の際にハンドルネームのアカウントのユーザー情報を割り出していくことになります。KEEN Managerはこのクレンジングを承っております。吉留:続いての質問です。「ツール選定の過程で、Slackなど他のコミュニケーションツールを検討しましたか?」河村:はい、Facebookからの移行先として有料ツールを検討していましたが、会員登録制度を用いてコミュニケーションの管理ができるものを探していました。FacebookやSlackではユーザーの詳細情報を取得できず会社情報との紐づけができないことから、会員管理ができてコミュニケーションをとれるツール選定をしました。吉留:是非皆さんご参考にしていただければと思います。では次の質問です。「ユーザーのグルーピングは具体的にどのような粒度で行っていますか?」河村:グルーピングはKEEN Managerを利用し、上位からスター・ネクストスター・マルチアクティブ・シェアラー・イベントゴーアー・サイレントの6段階で行っています。これらはイベント参加回数から導出されるイベントスコアと、SNS/commmuneの投稿数やリアクション数から導出されるシェアスコアをかけあわせて算出しています。スター・ネクストスターといった上位ユーザーには、個別のユーザーごとにスコアを伸ばすための施策を打ち、シェアラー・イベントゴーアーにはよりマスに対する施策を、例えばイベントきっかけで投稿を促したり、投稿はあるけどイベントに来ていない人にイベントの案内を送ったりといった施策を行っています。何も反応のないサイレントの層に対する施策は、現在まさに考えているところです。吉留:ありがとうございます。では最後の質問です。「企業としての重要顧客という判断材料(契約数など)との紐づけは可能でしょうか?」河村:カスタマーサクセスにとっての重要顧客か、マーケティングにとっての重要顧客か、というように各部門によって重要顧客が異なることがありますよね。これに関してはすり合わせを行っています。コミュニティーで管理するデータは基本的に人単位ですが、カスタマーサクセスや営業は企業、案件、またはテナントだったりします。データの粒度が異なるため単純な突合は難しいことが多いと思います。そのため現在は各部門との会話によるすり合わせによって共有・施策実行を行っています。吉留:ありがとうございました。では、ここでセミナーを終了させていただきます。皆様、本日はご参加いただきありがとうございました。【無償トライアル実施中】コミュニティのデータ活用・分析にKEEN Manager をKEEN Managerは、スター顧客を育成し、スター顧客を起点にバイラルな新規ユーザー獲得と他の既存ユーザーの成功の支援を実現するマーケティングツールです。導入企業は、KEEN Managerを活用することで社内の複数のツールやSNSなどのインターネット上に散在するエンドユーザーの行動および発信データを統合し、熱量の高いユーザーを発見することができます。KEEN Managerの無償トライアルはこちらから▼%3Cscript%20charset%3D%22utf-8%22%20type%3D%22text%2Fjavascript%22%20src%3D%22%2F%2Fjs.hsforms.net%2Fforms%2Fembed%2Fv2.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%0A%3Cscript%3E%0A%20%20hbspt.forms.create(%7B%0A%20%20%20%20region%3A%20%22na1%22%2C%0A%20%20%20%20portalId%3A%20%2223387243%22%2C%0A%20%20%20%20formId%3A%20%22bfb39371-cd7c-470a-8d97-d0ab0e7c31ab%22%0A%20%20%7D)%3B%0A%3C%2Fscript%3E