こちらの記事は、2023年3月2日に開催された「【特別イベント】ユーザーの熱量・コミュニティの熱量~ベンダー企業2社が語る~」のイベントのレポート記事です。当日のアーカイブはこちらからご覧いただけます。【コミュニティ参加者の熱量】数字とデータから仮説を立てよう※本記事は当日の登壇内容をもとに一部加筆修正しています。登壇者KEEN株式会社 代表取締役 CEO 小倉自己紹介本日は、私(小倉)から「数字とデータで仮説を立てていこう」をテーマに、ユーザーコミュニティの運営もそうなんですけど、コミュニティデザインから運営、そして所謂ファーストピン、弊社が”スター顧客”と言っているスターを作っていくサイクルの再現性をどうやって高くしていくのかというのを軸にお話させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。では、まず私の自己紹介をさせていただきます。地元は秋田県田沢湖で、奥羽山脈の麓で生まれ育ちました。その後は、お茶の水女子大学で物理学を専攻しまして、新卒でマイクロソフトに入社し、その後スタートアップであるKEEN株式会社を創業しております。秋田県の田沢湖というのは、山と海と温泉の町というふうにタグラインが出ているような本当に何もないような自然豊かな場所で、私自身は90年生まれなのですが、山の奥でもインターネットを通したオンラインのコミュニティにすごく救われたと思っています。専攻が物理学ということもあり、私自身データのシミュレーションだったり、誘導体のシミュレーションを学生時代に行っていました。そういったところと、私自身幼少期にコミュニティに助けられたという思いから、今コミュニティを起点にして分析をメインに行っています。KEEN株式会社はまだまだ走り出しのスタートアップですが、コミュニティが大好きな楽しいメンバーたちと一緒に、日々開発とお客様への提供を進めています。KEENのメンバーは結構、地方出身の人が多くてですね、コミュニティ内でご結婚された方とか、シェアハウスで出会った人達を採用して一緒に働いているみたいな、本当にコミュニティボーンなメンバーで楽しく仕事をしています。ユーザーコミュニティでよくある失敗本日は、私自身がBtoB企業でユーザーコミュニティ運営しているというところから、日々お客様と交流をさせていただいておりますので、企業のユーザーコミュニティを運営しているお客様やコミュニティマネージャーの皆様に対してお話をさせていただくような形になります。ですので、場を運営している方々やクリエイター向けのコミュニティの方々にとっては、違う部分も多いかもしれませんが、新たな発見などがあればすごく嬉しいと思っています。日々、コミュニティマネージャーの方とお話をさせていただきながら、私自身もMicrosoftを卒業してフリーランスのコミュニティマネージャーとして一年近く活動しておりました。自分自身がコミュニティマネージャーをやっていく中で、コミュニティの規模が係数の大きい二次関数的に拡大し、ユーザー数が増えていく中で、たくさんの課題が生じると思っています。ここに書かせていただいているもので、皆様も一度は悩まれたり、苦労されたりした経験があるのではないかと思います。ユーザーコミュニティ運営で失敗しないためにはでは私たちはどのようにコミュニティ運営をやっていけば良いのかという話からさせてもらいます。私はコミュニティ運営をやっていくにあたって、ある言葉をすごく大切にしています。「メディアはそれ自体がメッセージである。」これはメディア論を出されている1960年代に脚光を浴びたマーシャル・マクルーハンの言葉です。「問題なのは、そのメッセージそれ自体より、新しいメディアができることそれ自体がメッセージであり、接する人々を変えてしまうほどの影響力がある」というところが、本当に自分自身、奥羽山脈の麓で生まれ育ちインターネットに救われたり、インターネットというメディアによって新たな行動を起こしてきたところと重なりますし、昨今のインターネットの登場によりサービス提供の在り方とか、オンラインコミュニティ自体の在り方も変わってきていますよね。メディアとしてのコミュニティの特徴は、1対Nではなく、N対Nのコミュニケーションが可能になったことだなと思っていて、本当にこれは革命的なことだなと感じます。N対Nのコミュニティを運営されているその覚悟の素晴らしさや、場を継続的に利用してもらうことの大変さは皆様もご理解いただいているかなと思います。つまり、コミュニティというメディアを持っていることそのもの自体が皆様の所属する企業様、お付き合いしているお客様へのメッセージなんだなと私は解釈しています。コミュニティというN対Nで通じ合いコミュニケーションをする覚悟を持っているコミュニティを持っていることそのこと自体が、今までのお客様との接し方、ステークホルダーとのコミュニケーションの仕方、1対1や1対Nのような拡散させていく方向ではなく、誠心誠意N対Nでコミュニケーションをしていくこと、しかもお客様同士や競合同士がお話しあうような場を作っていく、そこに対して共創力を持っていくこと自体がメッセージだなと思っています。ユーザーコミュニティの無限の可能性私はコミュニティというのは一つの表現ツールだなと思いながらも、本当にここに可能性を感じながら事業をしています。ですので、コミュニティそれ自体に個人が期待することもそうなんですけど、そのコミュニティを通じて個人である皆さん自身がどういう風に変わっていきたいか、その在り方がとても重要なんじゃないかと思うんですね。大前研一さんのすごく有名な話で言うと、人が変わる方法は三つしかないと言われていて、一つは時間配分を変えること、二つ目は住む場所を変えること、三つめは付き合う人を変えること、この三つの要素でしか人間は変わらないというんですね。自分の中で何かを決意すること以上に時間・場所・付き合う人、この要素が人を大きく変えることに繋がるんですよね。これ自体がもうコミュニティのことですよね。大前さんの書かれたことは、時代背景的に物理的なコミュニティの事を言っていたと思います。しかし、コロナを経てアフターコロナの時代に、デジタルとリアルが融合してしまっている状況で、私たちは付き合うコミュニティやどこに所属するかで自分自身を変えることができるんだというのは体験する側として感じるところだと思います。だからこそ、私たちコミュニティ運営に携わる、あるいはコミュニティのコアメンバーになる人は、参加者・当事者の視点をもって変りたいと思うことをサポートできる、コーチャブルである人を探さなきゃいけないということだと思うんです。コーチャブルというのは、コーチングしがいがある、コーチングが出来る状態であるということだと思うんですけど、その変化したいというニーズの目を逃さずにコミュニティを通じて施策の提案を行っていくことが必要だと思っています。コミュニティ運営をしていく中で、企業がステークホルダーをコミュニティで繋いでいくことがこれから主流になると私は信じています。既にデべロッパーリレーションシップですとか、ユーザーコミュニティ、また社内コミュニティでもエンプロイーリスキリングなど企業様方はコミュニティ運営を頑張っていらっしゃいます。ですからコミュニティをデザインする側であり、コミュニティの一員でもある皆様が、コミュニティをどれだけ自分ごととして捉えられているかに掛かっていると思います。変化する芽は、自分の中では場所や行動で変わっていてもそれを察知する仕組みはなかなか見つけられないと思います。そこを私たちはデータを使って次のアクションだったりとかをご提案していきたい、察知できる仕組みを創っていきたいと思っています。データで見るとこんなこともわかるユーザーコミュニティ先程データで個人の行動データだったりとかを取っていくというお話をさせてもらいました。私自身がそのシミュレーションをそもそもやっていたということから、今のKEENでやっていきたいことは、ぜひ皆様とも議論したいと思っているところなんですけど、コミュニティの大切さについては皆様よく分かってらっしゃるじゃないですか。特に企業のコミュニティだと、前提としては見込み顧客のほとんどが皆様の会社の情報やプロダクトの情報を検索できるし、企業の製品の84%は口コミ経由と呼ばれるくらいどこかで何らかの情報は既に手に入れられるような世の中になっていますよね。そこで第一想起をとっていくためにファーストピンになるような方、スターになってくれる、良い口コミを出してくれるようなお客様、共犯者になってくれるようなユーザーの方々ってとても重要だと思うんです。ただ、それらを今まで再現性高く生み出したことはなかなか無いと思っています。このスター顧客を生み出す仕組みとして、私たちはデータと数字を収集して仮説を立てていくということを取り組みとして進めています。これは行動の傾向としてユーザーさんを分類していくこと、そしてその分類したクラスタリングに対して施策の対象をターゲティングしていくことを今取り組みとしてやっています。例えば、まずは、イベントに参加している人、Twitterやslackなどのコミュニティポータルに投稿している人という二軸で行動の分析を行っています。さらに、この二軸の中でも、一二回自己紹介を投稿したり、年一回の大きなイベントのみに参加した人たちは一旦「サイレント」という領域に分類させてもらって、イベントだけめちゃくちゃ来る人は「イベントゴーアー」、情報発信をたくさんしてくれる人は「シェアラー」、どちらのスコアも高い人たちの中で、これから活躍・活動のばを広げていきたいという人は「マルチアクティブ」、さらにどちらもめちゃくちゃスコアが高い人たちをスターの卵「ネクストスター」と分類をしています。実際に企業のユーザーコミュニティを運営されている方は、ユーザーさんが500名の方もいれば、一万名の方もいて、コミュニティを運営すればするほどユーザーが増えていく一方、コミュニティを運営する人材はなかなか増えないと思っています。もちろんこういった場を通して頑張りたいとは思っているんですけど、やっぱりなかなか新しい職種なので難しいと思っています。だからこそ一人でもコミュニティマネージャーがいれば、その人の視野を広げ、視野を広げたうえで虫の目・鳥の目にもなれる。すごく近くでお客様を見れるし、すごく離れてコミュニティ全体を俯瞰して見れるようにモデリングしていこうと考えています。そして、先ほどの5つのクラスターを分けたうえでモデリングをしてシミュレーションを行っています。コミュニティ内での行動ペルソナを作って、次にその人がどうあるべきか、その人のモチベーションや動機は何なのか、具体的にどうやって伝えたら次の行動につなげてくれるだろうということを仮説を立てていくことが非常に重要だと考えています。例えば、発信をたくさんするシェアラーの方には、「たくさん発信しているけど何故イベントに参加できないんだろう」という問いを立て、それに対し、開催時間の問題なのか、何らかの業務で抵抗があるのか、たくさん人がいる場には来づらいのかなどの仮説を立て、どうしたらその行動を次に促すことができるか、さらに何の興味関心の軸があって誰と繋がれたら参加角度が上がるだろうみたいな仮説が立てられるようになるんですよね。イベントゴーアーに関しては、「何故UGCが増えないのだろう、どんな動機付けをしたら投稿したくなるんだろう」という問いを立て、例えばアドベントカレンダーって年一回ありますけど、ああいった取り組みを四半期に一回に増やしていくことによって投稿の頻度が挙げられるのではないか、そもそもこの人たちは投稿するだけの状態にあるのだろうか、みたいな形でより細かくコミュニティメンバーであるユーザーさんの行動ペルソナを作ることができるようになります。私は本当にこれをお勧めしていて、KEEN Managerを作ろうと思った一番のきっかけは、KEENのメンバーって最初は女性三人で事業をサポートさせてもらっていたんですね。すごくおめでたいことに全員同じタイミングで妊娠出産が発覚したんですよ。そうなると、今までのアドバイザリーの業務だとか、コンサルティング、コミュニティのサポートを物理的にさせてもらっていたので、産休・育休に入るときに、クオリティを保ちながらの定常的なお客様のサポートが出来なくなってしまいます。私たち自分自身で属人化していたなということをすごく反省して、そこから少しずつ自分たちが持っているノウハウは何か、共通で見れたらコミュニティ運営やお客様の事業が前に進むものって何だろうというところ、自分たちが本当に一番やらなければいけないことをサービス化しようと考えたんです。自分たちを捨てて自動化していかないと会社として次のステージに進めないと思ったところからKEEN Managerというサービスの開発に着手しました。今利用していただいているユーザーの皆様は、チームでコミュニティを運営されていて、「あの人いいよね」と個別具体でお話をされているものから、様々なコミュニティプラットフォームからのデータを集約して多面的にユーザーさんを見ることができるようになっていく。そうするとどのイベントに参加してくれて、どんな投稿をTwitterやslackでしてくれているかが分かるようになるんですね。さらに私たちはそれらのアラートを上げるといった仕組みも持っていたりするので、プロダクトの話の詳細に興味がある人はご連絡いただけると幸いです。ただ、このプロダクトを作るにあたって切実な思いは、ぜひ皆様と共有したいなと思っていて、これは、企業のユーザーコミュニティだけじゃないと思うんですよ。結局、産休・育休や介護だったりで、いつかご自身のお仕事をハーフコミットしなきゃいけない時に自分たちが残せる、共有できるデータって何だろうというのをとにかく貯めていって数値化してデータ化することによって、皆の共通言語になるので、ぜひお勧めしたいなと思っています。以上になります。ありがとうございました。【無償トライアル実施中】コミュニティのデータ活用・分析にKEEN Manager をKEEN Managerは、スター顧客を育成し、スター顧客を起点にバイラルな新規ユーザー獲得と他の既存ユーザーの成功の支援を実現するマーケティングツールです。導入企業は、KEEN Managerを活用することで社内の複数のツールやSNSなどのインターネット上に散在するエンドユーザーの行動および発信データを統合し、熱量の高いユーザーを発見することができます。KEEN Managerの無償トライアルはこちらから▼%3Cscript%20charset%3D%22utf-8%22%20type%3D%22text%2Fjavascript%22%20src%3D%22%2F%2Fjs.hsforms.net%2Fforms%2Fembed%2Fv2.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%0A%3Cscript%3E%0A%20%20hbspt.forms.create(%7B%0A%20%20%20%20region%3A%20%22na1%22%2C%0A%20%20%20%20portalId%3A%20%2223387243%22%2C%0A%20%20%20%20formId%3A%20%22bfb39371-cd7c-470a-8d97-d0ab0e7c31ab%22%0A%20%20%7D)%3B%0A%3C%2Fscript%3E