ヤンマーグループの一員であるヤンマー建機は、小型建設機械(油圧ショベル・ローダーなど)ならびに汎用製品(発電機・ 投光機など)の開発・生産・サービス・販売を行っています。日本国内に36ヶ所の拠点を展開し、フランスやドイツ、アメリカなどにもネットワークを広げるなど、世界の建設業を支える存在となっています。同社では、2023年春からDX推進に向けた社内コミュニティを立上げ、そこでKEEN ManagerとKEENのコミュニティサポートサービスをご活用いただいております。今回は、ヤンマー建機株式会社 戦略部 DX推進グループ 兼 品質保証部 品質企画グループ 課長 田中重信さんに、コミュニティ立上げの背景やKEEN Manager導入後の効果などについて伺いました。 KEEN Managerご活用概況2023年3月導入決定。田中さんをはじめとしたDX推進グループ4名でご利用活用シーン・デジタル活用に精力的に取り組む人材の発掘・コミュニティの活性化施策の検討導入効果・これまで把握できていなかった、デジタル人材の発掘が可能に・社内コミュニティの活性化に向けたターゲティングと施策検討が可能に ――はじめに、ヤンマー建機様がコミュニティ活用の必要性を感じられた経緯をお聞かせください。 ヤンマーグループ全体として、非常に真面目な組織風土で、どちらかというと「堅い」雰囲気があります。平均年齢も比較的高く、SNSは見ることはあっても自分から投稿はしないような社員が多いと思います。その中で弊社でも、データ活用や業務効率化、また生産現場の効率UPを目指し 2022年1月にDX推進グループが設立されました。ただ、デジタル活用は、今まで会社や上司から「言われたとおりにする」ことに慣れ、自発的に活動する社員が多くはないということが気がかりでした。DXは現場主導でやりたい思いが強くありました。DX推進グループの活動1年目は自らが先導しDX活動を推進していきましたが、2年目に入るとDX推進グループメンバー4名で進めることに限界を感じ、現場を活性化して、現場から声が上がるようにするには、コミュニティのようなものをつくればいいのでは?という発想が生まれてきました。――田中さんの中で、なぜDX推進と社内コミュニティが結びついたのでしょうか? それまでDXに関しては、BIツールなどの勉強会やワーキンググループといった活動を行っていました。それで少し底上げされたのですが、その次のフェーズに行くのが難しいなと感じていました。私は個人的に、数年前からウイングアーク1st社のコミュニティ「nest」に参加していて、KEENの小倉さんが裏方でサポートされている姿を見ていました。そもそもそれまで「コミュニティ運営にプロがいるんだ」という認識がなかったのですが、nestでプロの裏方がいると違うなと感じたのです。同時に、「コミュニティは単なる仲良しクラブではなくて、ビジネス上の施策なんだ」という感覚も得られました。オンラインコミュニケーションでも気軽に話せるし、人も増えてきてチームワークも高まってくるのを目の当たりにしているうちに、自社でのDX推進の2023年活動計画を考え始めた際、「コミュニティ」という形がいいなと思うようになりました。 ――DX推進の中で、次のフェーズに行くための課題とは何だったのでしょうか? 勉強会、ワーキンググループスタイルでは、最初からデジタル活用へのモチベーションが高いか、上司に「行ってこい」と言われた人しか集まらないのです。しかし、デジタルツールは、Excelのように、だれでも使ってもらえるようにしたいと思っています。そのためには、もっと多くの社員に広げたかったのです。もう1つは、中間管理職の理解度向上です。有志の勉強会レベルだと「遊び」のような軽いものと見る人もいたのですが、コミュニティをつくり、会社幹部からから全社に向けて発信してもらうことで、「この軽いノリも会社の方針として行っているんだ」というところを示したかったのです。 ――あえてノリやスピード感を出していると知ってもらうことが大事だと。 そうですね。ヤンマー建機の従業員は数百名いるので、全体を動かす、特に工場のDXを進めるには大勢に手伝ってもらう必要があります。さらなる底上げをするには現状ではやれることが限られているし、DXのスピードが上がりません。スピードが上がらないと、事業計画を達成できない。つまり事業目標達成のためにコミュニティが必要だというところに行き着いたのです。――KEEN以外にも比較検討はされましたか? 比較検討はしていません。私が知る限りでは、この手の事業をされている会社はあまりないなという印象でしたし、KEEN Managerの存在を知っていたことや、KEEN社の「人」を知っていて信頼がありました。KEEN社は特に、我々のような昔ながらの製造業にはない発想やノウハウをお持ちです。ベンチャーなので非常に機動力があるだろうなという期待もありました。また、KEEN Managerというロジカルなツールがあることで、感覚にたよりがちなコミュニティ運営とは違うと思っています。 ――KEENはどちらかというとヤンマー建機様のような伝統的な製造業とのお付き合いはそこまで多くないのが現状ですが、そのあたりの懸念はありましたか? それは全くなかったです。コミュニティ運営においては人を巻き込む力が非常に重要ですが、そこに業種業界は関係ないと思っています。 ――KEEN Managerを触ってみての第一印象はどうでしたか? 「わかりやすい」が第一印象です。特にダッシュボードは素晴らしいですね。たとえば、一見沈んでいるように見える人が、実はこんなに頑張っているというのが見えます。これはすごく魅力でした。こういうデータがあると上長や本人も含めて伝えるときに使えますよね。第二印象としては、まだまだ荒削りなサービスだなと感じました。それは全然ネガティブな印象ではなく、今後への期待感がすごくあります。 ――コミュニティ立ち上げからまだそれほど時間は経っていないと思いますが、KEENのコミュニティ運営や、KEEN Managerというツールをどのように活用していらっしゃいますか? KEEN Managerの活用はまだまだこれからですね。今は、Teamsのデータや、社内イベントの参加、MotionBoard数、RPAロボットをつくった数、DX部門にサポートを受けた回数などを入れていって、調整していく段階です。ただ、各数字の調整をしていない今の状態でも、僕が把握していなかった人がネクストスターにいることがわかったりして、面白いですね。 ――コミュニティ運営のご支援の部分はいかがでしょうか? 非常に助かっています。先日もDX推進グループのメンバーに対して講習会をしてもらいました。グループメンバーには今コミュニティの中で、1日1回Teams内のチャネルに投稿するように言っているのですが、なかなか進まない。年齢的に若くても、真面目で堅い人が多いので、なかなか弾けた投稿ができないのです。だからKEENの方に、「柔らかい文章を書くには」「絵文字はこうやって使ったらいいよ」などを教えていただきました。普通の企業ならそんなお願いはしないかもしれませんが、KEENの方々はパートナーとしてコミュニティ内にいてくださるので、こういうお願いもしやすいです。他にも、Teamsでのチャネルの作り方、雑談チャットを投げるタイミングなど、当たり前だけど意外に難しいこともいろいろと教えてもらって。今は自己紹介スレッドも盛り上がってきています。――先ほど「中間管理職の理解が課題」とおっしゃっていましたが、そのあたりの影響はいかがですか? 先日、DX情報共有会を本社のショールームでお祭り的に行い、コミュニティの様子も全社に向けて発信しました。今年弊社が掲げている「DX活動から誰1人取り残さない」というスローガンを体現する1つの施策がこのコミュニティであることを、ヤンマーホールディングスのCDO(最高デジタル責任者)にも来てもらって伝えました。会議室ではないオープンな場所で行うことによって、全社的な変化を感じ、「追いつかなくては」という気持ちになった中間管理職も増えたようです。また、弊社社員がUiPath社のコミュニティ「UiPath Friends」で登壇したことに刺激を受けて、日曜日なのに「UiPathを活用したい」と言ってきたある部門のメンバーがいました。彼は管理職ではありませんが、部の課題をオープンなチャットで相談してくれたことで私たちは適切に各部門にアプローチできるようになりました。これは非常にいい流れだなと思っています。 ――DX推進グループとしても選択肢が明確になるのですね。 闇雲に部長に「DXをやってください」というのではなく、「部門からこんな声が出てきています。大変ですよね。こういう課題があるのであれば、DX推進グループからこんなお手伝いができますよ」と配慮した形で伝えられるようになるのでいいですね。さらに、コミュニティでこういった発言がたくさん出てくると、DXに関わったことがない人も、「もしかしたらやれるかも」と感じ始めてくれるかもしれない。そこに持っていくためにも、プロの方にお手伝いいただくことは非常に重要です。このコミュニティサポートを、ヤンマー建機の社員が行うのでは、効果は半減すると思います。 ――それはなぜでしょうか? やはり中からの声は響きにくいのです。グループ内でコミュニティを運営している例もあるのですが社内メンバーだけで運営しているのでなかなか盛り上がらないということも聞いたことが あります。外部の方が言うからこそ聞き入れられることがあるのです。さらに言えば、講演会などで外部の話を聞くというよりも、コミュニティの中に入ってきてくれて声をかけてくれるというのが大事です。 ――他にコミュニティ運営で心がけていることがありますか? 我々DX推進グループでは、業務成果を説明するときになるべく数字を明示するようにしています。例えば、「それぞれのDXツールで、年間何時間分の節約ができたか」といった形です。コミュニティの成果も同様に、数字として見えるのと見えないのとでは、全然反応が違うのです。今後もどんどんツールを使った業務改革をしていきたいと思っていますが、それには現場の理解と協力を得ていく必要があるので、少しでも多くの人がコミュニティに興味を持ってもらえるような仕掛けを常に考えています。 ――最後に、KEENへのご要望や今後への期待があればお聞かせください。 KEEN Managerへの要望としては、ゆくゆくはマルチ言語になるといいなと思います。今弊社は海外工場を4ヶ所あり、そこの日本人責任者から「現地人も入れさせてほしい」というリクエストがありました。とりあえずメニューだけ日英表記に変えたのですが、今後外国人が増える可能性は十分にあるので、英語メニューもあるといいですね。コミュニティは上下関係なくフラットな関係性が魅力です。会社としてのスピード感を上げるためにも、フラットな社風をつくるためにもコミュニティは有効な手段だと考えているので、ぜひ引き続き応援していただきたいですね。本記事のポイントまとめヤンマー建機様は、KEEN ManagerをDX推進コミュニティ活性化に向けた分析、さらにKEENのコミュニティサポートサービスをコミュニティ立上げ~運用にご活用。その結果、社内コミュニティをスムーズに立上げ、運用開始ユーザーをターゲティングした施策の検討が可能にという効果を実感しています。これらすべて、コミュニティを運営している皆さんにとって目指したい姿に近いのではないでしょうか。コミュニティ活動の定量化・分析にご興味がありましたら、お気軽にお問合せください。▶ KEEN Manager のご紹介ページはこちらから▶ KEEN Manager のデモ請求