一般的に、KPIの設計を検討する主な動機には、次のようなものがあげられます。 ●売上目標の達成に苦労している●目標達成までの具体的な道筋が見えにくい など こういった悩みを解決する上で、最終目標の達成に向けた中間目標の明確化は重要なポイントになります。そのために役立つのがKPIで、ビジネスにおける様々な場面でKPIの設計にはメリットがあります。 この記事では、KPI設計における基本的な手順をご紹介しつつ、自社のコミュニティ運営に活用できる例についても解説します。 KPIとその設計における基礎知識KPI設計について理解を深めるためには、そもそもKPIとは何なのか、KPIを設計するメリットにはどのようなものがあるのかを知る必要があります。以下、詳細を解説します。 KPIとはKPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。KPIについて正しく理解するには、同時にKGI(Key Goal Indicator)についても理解する必要があるでしょう。 KGIとは日本語で「重要目標達成指標」のことを指し、企業や部署などが達成すべき「最終目標」が該当します。企業活動の中でKGIを達成するためには、複数のプロセスが存在しているのが一般的で、例えば、「月間売上50%増」というKGIを設定した場合、具体的な行動として次のようなものを増やす必要があるでしょう。 ●電話かけの回数(架電数)●アポイントの数●商談や提案の数 など こういった「KGI達成に必要な各プロセスの達成度」を測るための指標が、KPIに分類されます。ある意味では、KPIを「KGI達成のための中間目標」と考えることもできます。 KPI設計のメリットKPIを設計するメリットには、次のようなものがあげられます。 業務進捗の可視化●KPIは数値による測定が可能な「定量的な指標」の一つ課題の明確化●複数のKPIの進捗状況を定期的に測定し、課題を明確化できる評価基準の統一化●人事評価にあたっては、定量的・定性的な評価基準を設けることが多いが、個人の成果を客観的に判断するにあたっては、定量的な指標であるKPIの活用は有益モチベ―ションアップ●数値目標がKPI設計によって具体的になると、組織・個人の目標がはっきりする KPI設計の基本的な手順KPIは、現場や管理職の経験・勘によって設定すべきものではありません。これから新しくKPIを設計するためには、次の3つの手順を踏んで設計するのが効率的です。 手順①:KGI設定先ほど、KPIとは「KGI達成のための中間目標」であるとお伝えしました。逆に考えれば、最終的な目標であるKGIが定まっていないと、KPIの設定は困難だといえます。 企業利益に関連するKGIを設計する場合、例としては次のようなものが考えられます。 ●売上高●成約件数●利益率 など また、誰にとっても時間は有限なものであることから、具体的な数値だけでなく「目標を達成するまでの期限」についても設定が必要です。 手順②:KSF設定KGIを設定したら、次はKGI達成のための要因となるKSF(Key Success Factor)を設定していきます。KSFは日本語で「重要成功要因」と訳され、主にKGI達成のためには避けられない(不可欠な)活動が該当します。 こちらに関しては、定量的であることが絶対条件ではなく、以下のように大まかな・定性的なもので問題ありません。 ●顧客開拓のスピードアップ●商品価格を下げる など 手順③:KPIの決定ゴール(KGI)が決まり、ゴールに向かうために必要なこと要因(KSF)が分かったら、いよいよそれらの要因を定量的な指標として落とし込みます。これがKPIで、KPIを決定するためには、設定したKSFを具体化するプロセスが求められます。 例えば、新規顧客獲得数の増加というKSFに着目した場合、具体的に顧客数を何人まで増やすのかを数値化する必要があります。リピーターの購買頻度向上であれば、リピート率のパーセンテージを決めなければなりません。 なお、KPI設定の前にKSFをはさむ理由は、KGIに直接関係する指標のみをKPIに選ぶためです。KGIに関係ない指標を選ぶことのないよう、KSFの設定は慎重に行いましょう。 上記手順をスマートに進めたいなら「KPIツリー」を作成しようここまでご紹介してきたKPI設計の流れに基づいて、どの指標を選定し、具体的な行動に落とし込むべきか考えていると、次第に思考がこんがらがってしまう恐れがあります。そのような状況を防ぎ、思考を整理しつつ適切なKPIを設定するためには、KPIツリーの作成がおすすめです。 KPIツリーとは、KGIからKSF、KSFからKPI、KPIから具体的な行動へと、段階を踏んで要素を細分化するツリー図のことをいいます。KPIツリーを作成する大きなメリットは、KGIや各KPIの関係性が整理でき、結果として必要なKPIを漏れなく設定できる点にあります。 視覚的に分かりやすいのもKPIツリーの特徴で、いかにしてKGIを達成するのか、ルートが一目瞭然になります。また、KPIツリーを現場スタッフに共有することで、従業員の目標意識も高まることが予想されます。 KPI設計時のポイント自社の企業活動を反映したKPIを設計するためには、次のようなポイントを押さえて作業を進めることが大切です。 KPIの数を増やし過ぎない(3つまで)KPI設計においては、指標の数をできるだけ絞ることが重要です。多くの指標を設定してしまうと、それだけ現場の負担が増え、混乱を招く可能性があるからです。 よって、KPIは必要最小限に絞り、従業員が集中すべきことに注力できる環境を整えましょう。具体的には、多くても3つまでにとどめた方が賢明です。 パーセンテージだけに注目しないKPIをパーセンテージで設定する場合、設定内容によってはKGIにつながらないおそれがあります。仮に、年間成約数をKGIに設定している場合、契約率100%を達成したとしても、そもそもの問い合わせ件数が少ないケースではKGIとの関連性が薄くなるでしょう。 このような問題を解決するには、問い合わせ件数という「分母」にも注目する必要があります。何らかのパーセンテージを算出する際に、分母が変わる可能性がある場合は、別のKPIを検討した方がよいでしょう。 自社にマッチしたKPIを設定するKPIは、自社の企業規模・業務内容・ビジネスモデルなどを十分に考慮して設定することが重要です。極端な話、新規事業と成熟した事業では、目指すべきゴールが異なるのは当然のことですから、自社の置かれた状況に合わせて適切な指標を設定しましょう。 コミュニティ運営に役立つKPIの一例KPIは、企業活動の直接的な成果につながるものだけでなく、例えば自社商品のファンが集まるコミュニティの運営などにも役立てることができます。コミュニティの活性度を測り、運営に役立てるためのKPIとしては、次のようなものがあげられます。 ●クラスター(ある類似性を持った小集団のこと)●イベント参加率または満足度●アクション率(一定期間内におけるユーザーのコミュニティでの活動頻度) など 現在自社で何らかのコミュニティを運営しており、データを運営状況改善につなげたいと考えている方は、以下の記事もお読みください。 参考記事:コミュニティ活性度を測るKPIとは|現状と目標を数字で語るための方法 まとめKPI設計は、売上目標の達成などにつき、具体的な道筋を見える化する上で役立ちます。KGI達成のための中間目標であるKPIは、設定することで業務進捗の可視化・課題の明確化・評価基準の統一化・モチベーション向上といったメリットが見込めます。 KPI設計時の基本的な手順は、KGI設定、KSF設定、KPI決定の3つに分かれており。KPIツリーを作成してそれぞれの関係性を整理すると、必要なKPIを漏れなく設定できるでしょう。ただし、KPIの数や種類を見誤ると、かえってKGIとの関連性が薄くなる可能性があるため、自社にマッチするものを設定することが大切です。 自社のコミュニティ運営において、適切なKPI設定が難しいと感じている企業担当者さまは、KEEN Managerの導入をご検討ください。【無償トライアル実施中】コミュニティのデータ活用・分析にKEEN Manager をKEEN Managerは、スター顧客を育成し、スター顧客を起点にバイラルな新規ユーザー獲得と他の既存ユーザーの成功の支援を実現するマーケティングツールです。導入企業は、KEEN Managerを活用することで社内の複数のツールやSNSなどのインターネット上に散在するエンドユーザーの行動および発信データを統合し、熱量の高いユーザーを発見することができます。%3Cscript%20charset%3D%22utf-8%22%20type%3D%22text%2Fjavascript%22%20src%3D%22%2F%2Fjs.hsforms.net%2Fforms%2Fembed%2Fv2.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%0A%3Cscript%3E%0A%20%20hbspt.forms.create(%7B%0A%20%20%20%20region%3A%20%22na1%22%2C%0A%20%20%20%20portalId%3A%20%2223387243%22%2C%0A%20%20%20%20formId%3A%20%22bfb39371-cd7c-470a-8d97-d0ab0e7c31ab%22%0A%20%20%7D)%3B%0A%3C%2Fscript%3E