2023年9月13日に開催された「#CMC_Meetup Tokyo Vol. 27 コミュニティ『はじめの一歩』どうするの?」に、代表小倉が登壇いたしました。ここでは、そのトークセッションの様子をお伝えします。※本記事は当日の登壇内容をもとに加筆修正しています。中編・後編も併せてご覧ください中編の登壇レポートはこちら後編の登壇レポートはこちら登壇者KEEN株式会社 代表取締役 Founder&CEO 小倉一葉聞き手アドビ株式会社 DXインターナショナルマーケティング部 フィールドマーケティングマネージャー 松井真理子さんウイングアーク1st株式会社 マーケティング本部 nest企画室 室長 河村雅代さん※以下、敬称略松井:それでは、「コミュニティのはじめの一歩、どうする」というテーマについてお話していきたいと思います。小倉:こんばんは。KEENの小倉と申します。今回のCMC Meetupに関わる皆さんとは、起業当時からお世話になった関係性です。前職時代にお世話になった方がいらっしゃるので少々緊張しておりますが、どうぞ暖かく見守っていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。私はコミュニティマネージャーとして起業し、現在はコミュニティマーケティング・コミュニティマネジメントに特化したSaaS「KEEN Manager」の開発を行っております。コミュニティマネージャーである自分自身の経験をもとに、皆さんのペインを解消することを目標に取り組んでいます。今回はこの経験から、「コミュニティのはじめの一歩、どうする」をテーマにお話させていただきます。今回皆さんにシェアさせていただくのは、コミュニティの立ち上げにあたって最初の一歩として直面する観点、つまり問いの立て方についてです。私はコミュニティマネージャーの経験から、イベントやコミュニティポータルの運営、情報発信の方法といった”土台”部分については注視していたものの、コミュニティ運営に対する企業側のモチベーションを把握することに難しさを感じていました。つまり、コミュニティにどんな効果があるのかという問いの返答には、経営者・事業責任者視点が必要とされるという問題意識があったのです。私自身、起業して3年目に経営を抜本的に変革する必要を感じ、そのタイミングで経営者視点を持つことを意識しましたから、これを契機に”経営者視点で事業貢献できるコミュニティ”のあり方を深く考えるようになりました。それでは、鳥の目・虫の目・魚の目という観点から、私が”はじめの一歩”として、3つの要素を挙げさせていただきます。今日は、皆さんにこの要素が備わっているか確認していただき、今後のヒントになるお話ができれば嬉しいなと思っております。まず鳥の目にあたる要素は、「全体を俯瞰で見る」力です。これは戦略的な経営者・事業責任者の観点から会社の現状の事業課題を捉え、コミュニティへの期待や価値を評価・整理する能力を指し、当時の私のなかで一番不足していた要素だと感じています。次に虫の目にあたる要素は「細部を複眼的に見る」力です。これはミクロな視点でコミュニティの情報を分析し、日々のエグゼキューションをこなしていく力と言い換えられます。私はコミュニティを、企業・自社・お客様・時流・社会の中にあるものだと捉えていて、この文脈をきちんと把握しながら、変化を察知し、意思決定することが大事だと考えています。また同時に、既存のお客様や潜在顧客の方々がどんなことを考えていて、何を課題に感じながら弊社のプロダクトを使っていくのか、という目線を持ちながらコミュニティを計画することも必要となります。続いては、魚の目にあたる「流れの変化を見る」力について。これには、そもそも企業はなぜコミュニティを作りたがるのか、という話が関わってくるのです。よくある話としては、お客さんの行動が変化していくなかで、企業としてのあり方・プロダクトのあり方も同時に変化するということが挙げられます。具体的には、従来のB2B企業は商品をウォーターフォール形式で開発・提供し、代理店の販売による物流・商流を通じて顧客に届ける必要がありました。やがてクラウド化が進むと、商品もtoC化されてゆくトレンドの中で、よりアジャイルに開発・提供が可能になりました。現在は顧客の声を聞きながら、ほぼリアルタイムでマーケティング施策を練ることができます。それこそコミュニティを立ち上げる際にも、マーケターを始めとする企業に所属する方々が、SNSを通じて顧客の声をダイレクトに聞ける世の中になりました。この時流の中でコミュニティ活用の目的とは、マーケティングの領域ではペルソナとなる新規の顧客に出会うチャネルとして用いたり、カスタマーサクセスの領域では継続的な顧客接点の獲得・ブランドリアリティ向上・サポートのコース削減として使うことにあると思います。河村さんと松井さんは、まさにこのB2Bについては、ご自身も実感が湧く話なのではないでしょうか。河村:そうですね。私たちもまさにこのフェーズにいるというふうに思っております。松井:はい。私もB2Bの領域ですので、お客様の声から新たな気づきを得て、それをマーケティング施策につなげる、ということをやっております。小倉:ありがとうございます。では続いて、B2Cのテーマに移ります。これについても、現在お客様と会話をしながら課題の発掘をしている最中です。一例として、「広告コストが上昇しているとはいえ広告依存から完全に脱却することは難しいが、中長期的にブランドを愛してもらうための手段として、コミュニティにて自社が発信し、インタラクティブにファンとコミュニケーションを取るような施策にチャレンジしたい」というお声をいただいています。このような経緯でコミュニティマーケティング・アンバサダーマーケティングをやりたいという要望を多くいただいております。加えて最近では、弊社が大企業の社内コミュニティをサポートする事例もございます。というのも、国内の労働人口が減少し、リスキリングやDXの担当者も限られているという問題意識の中で、これらの事業を推進するためにコミュニティ的アプローチが採用されるケースがあるのです。会社や上司からトップダウンで指示されるのではなく、自発的・ボトムアップ型で情報が循環され、特にデジタルに得意な若い社員さんが活躍している様子ですね。現状として、硬直化した組織をコミュニティの施策によってカバーしている印象があります。松井:小倉さんの感じるなかでは、社内コミュニティというのは結構増えてるのでしょうか。小倉:もともと存在したものだと思うのですが、コロナ禍の影響によってDX化が必要とされた際に、若手・女性を活用したいという文脈で(社内コミュニティについて)お問い合わせいただくケースはありますね。松井:ありがとうございます。今この話を伺ったときに、私は神奈川県出身なのですが、今年甲子園で優勝した慶應義塾高校の監督のチーム編成が頭に浮かびました。上から押さえつけて練習させるのではなく、とにかく選手に考えさせて自発的な行動を促すことが大事だと(監督が)おっしゃっていたので、まさに同じだなと思います。小倉:なるほど、魚の目の考え方ですね。先程の(コミュニティを導入している)パターンとしては、ゲームやエンタメの分野でtoCのビジネスをされている企業さんも該当するのではないでしょうか。そして、こういったコミュニティにはやはり、スターのようなコミュニティメーカーの存在が際立ちますよね。実例としてウイングアーク1stさん然り、アドビさんにも「この人、社員なのかな」と錯覚するほどの動きをしてくれる素晴らしいお客様がいらっしゃるかと思います。松井:弊社でも(イベントに)登壇してくださるユーザーがいらっしゃるんですが、お話が終わった後に「あの人社長ですか?」と他のユーザーに聞かれたことがありました(笑)。小倉:それはすごい(笑)。松井:社員のように振る舞ってくださる方も多くいらっしゃいましたね。製品に対する愛が溢れていたので、そのように見られたのだと思います。河村:なるほど。では、社内コミュニティに新たな動きを伝播させていくことも、スターになるお客様の力なのかもしれませんね。小倉:確かに。スターのお客様同士が自発的にオフィス訪問されて、製品の活用事例について情報交換されている、という話もよく聞きます。なんなら他の製品まで紹介し合っていたとか。本当にいらっしゃるんですよ、1stピンとなるスター顧客は。とはいえ、コミュニティにも工夫が必要な箇所がいくつかあります。一つには、法人格のないコミュニティは、指揮命令を通じて戦略を練った通り計画を実行できる会社とは異なる、ということを前提としたデザインが必要になることです。コミュニティとは第一にお客様と社会に取り囲まれたものですから、共感を得られるようなビジョンや関心軸を設定することが求められます。プロダクトアウトで成功するパターンもあれば、コミュニティの皆さんで軸を設定し、そこに向かってスキルアップや社内導入を促しながら設計する企業もよく見られます。ですので、求心力となりうるコミュニティのビジョンやコミュニティ名、ロゴなどの工夫も大切になってくると思いますね。皆さんも長年コミュニティに関わるなかで、リブランディングのご経験もあるかと思いますが、いかがでしょうか。河村:はい、弊社では2022年の7月にリブランディングを行いました。(コミュニティの)立ち上げ当初とは規模も、やりたいことも変化してきた中で、必要なことだったと捉えています。小倉:ありがとうございます。それに加えて、コミュニティの伝導役となるコミュニティマネージャー・運営事務局・リーダーとなるコミュニティメンバーの存在は欠かせませんね。中編はこちらからご覧ください。【無償トライアル実施中】コミュニティのデータ活用・分析にKEEN Manager をKEEN Managerは、スター顧客を育成し、スター顧客を起点にバイラルな新規ユーザー獲得と他の既存ユーザーの成功の支援を実現するマーケティングツールです。導入企業は、KEEN Managerを活用することで社内の複数のツールやSNSなどのインターネット上に散在するエンドユーザーの行動および発信データを統合し、熱量の高いユーザーを発見することができます。KEEN Managerの無償トライアルはこちらから▼%3Cscript%20charset%3D%22utf-8%22%20type%3D%22text%2Fjavascript%22%20src%3D%22%2F%2Fjs.hsforms.net%2Fforms%2Fembed%2Fv2.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%0A%3Cscript%3E%0A%20%20hbspt.forms.create(%7B%0A%20%20%20%20region%3A%20%22na1%22%2C%0A%20%20%20%20portalId%3A%20%2223387243%22%2C%0A%20%20%20%20formId%3A%20%22bfb39371-cd7c-470a-8d97-d0ab0e7c31ab%22%0A%20%20%7D)%3B%0A%3C%2Fscript%3E